16. トンネル同士が極近接する場合の影響予測解析法
都市部の地下空間は過密化が進み、トンネル同士が交差する近接工事(図1)が増加しています。
トンネル同士の離隔が新設トンネルの直径以下である極近接工事では、新設トンネルの掘削に
伴って既設トンネルの変状等が生じる恐れがあるため、技術基準等において特別な検討が必要とさ
れています。しかしこれまでは具体的な検討方法がなかったため、地盤条件によらず一律に地盤改良
を実施しており、多額のコストを要していました。そこで、極近接工事において新設、既設トンネ
ルへの影響メカニズムを解明し、影響予測に用いることができる新しい数値解析法を開発しました。
新しい影響予測解析法は、トンネルを三次元モデルで、地盤と既設トンネルとの相互作用をばね
で表現します。この相互作用ばねのばね係数を地盤の安定度が下がるにつれて低下させる計算方法
を構築しました(図2)。極近接時を模擬した土槽実験を実施したところ、交差位置に近づくにつ
ればね係数が低下する傾向や既設トンネルに生ずるひずみなどを適切に再現できることを確認しま
した(図3)。この解析法を用いることで、地盤条件に応じた影響予測が可能となり、良好な地盤では、
従来行っていた地盤改良を実施せずに施工可能という検討結果が得られます(図4)。
その他の関連コンテンツ
- 9. 鉄道向け統合分析プラットフォーム
- 10. 低照度環境にも対応した車載型の線路内支障物検知手法
- 11. 車上計測した軌道変位による桁たわみ推定法
- 12. 光切断法による剛体電車線摩耗計測装置
- 13. 架線の多様な異常形態を検出可能な画像解析手法
- 14. 計画業務省力化のための乗務員運用計画の自動作成手法
- 15. 狭隘箇所における急速施工に適した盛土構造
- 16. トンネル同士が極近接する場合の影響予測解析法
- 17. 軌道等の剛性寄与を考慮した桁の振動特性の評価法
- 18. ひび割れの幅と発生位置に応じたコンクリート構造物の補修方法
- 19. 膨張コンクリートの適用による軌道スラブの低配筋化
- 20. 温度センシングによる信号用電子機器の取替時期設定手法
- 21. 防除効果および施工性に優れた蒸気を用いた雑草防除手法
選択してください
- 9. 鉄道向け統合分析プラットフォーム
- 10. 低照度環境にも対応した車載型の線路内支障物検知手法
- 11. 車上計測した軌道変位による桁たわみ推定法
- 12. 光切断法による剛体電車線摩耗計測装置
- 13. 架線の多様な異常形態を検出可能な画像解析手法
- 14. 計画業務省力化のための乗務員運用計画の自動作成手法
- 15. 狭隘箇所における急速施工に適した盛土構造
- 16. トンネル同士が極近接する場合の影響予測解析法
- 17. 軌道等の剛性寄与を考慮した桁の振動特性の評価法
- 18. ひび割れの幅と発生位置に応じたコンクリート構造物の補修方法
- 19. 膨張コンクリートの適用による軌道スラブの低配筋化
- 20. 温度センシングによる信号用電子機器の取替時期設定手法
- 21. 防除効果および施工性に優れた蒸気を用いた雑草防除手法