車両側引戸での細い異物の挟み込みを検知する戸先ゴム(センサ戸先ゴム)

鉄道車両の側引戸での引きずり事故を防止するため,隙間に感圧センサを設置したセンサ戸先ゴムを作製しました。感圧センサは通常、電気的に不通状態ですが、挟み込みの際に力が加わって変形すると電気的に導通状態となり、挟み込みを検知できます。実際の側引戸を模擬したモックアップに作製したセンサ戸先ゴムを設置し、性能評価試験を実施した結果、直径8mm以上の異物の挟み込みを検知できることがわかりました。また、10年の使用を想定し、モックアップの側引戸を約25万回開閉させる開閉試験を実施した結果、見逃しや空振りの誤検知は発生しませんでした。

図1 センサ戸先ゴムによる検知のイメージ

図2 モックアップにおける性能確認試験

参考文献

  1. 間々田祥吾,鈴木康大,太田達哉:感圧センサを内蔵した戸先ゴムを利用した車両の戸挟み検知システム 、鉄道総研報告、2020年10月号 第34巻 第10号 pp.23-28