改良型新幹線用焼結合金製パンタグラフすり板
1.概要
新幹線で用いられている鉄系焼結合金すり板の摩擦特性および耐食性の向上を目的として、素地材料に潤滑性をもつ硫化マンガン快削鉄粉を使用した新しい鉄系焼結合金すり板を開発しました。すり板の素地自体に硫化マンガンを分散し(図1)潤滑性を持たせることで、トロリ線との摩耗特性を改善しました(図2)。硫化マンガンは、環境に及ぼす影響が小さな(エコフレンドリー)潤滑成分です。
2.特徴
従来の鉄系焼結合金すり板と比べて環境影響の少ない潤滑成分を用いており、環境負荷を減らすことができます。すり板の摩耗は、従来品と同程度か、やや減少することが見込めます(図3)。開発したすり板はすでに実用化され、実際に使用されています(図4)。