ハンディカメラを用いた沿線設備認識システム
1.概要
沿線設備のメンテナンス業務における作業負担を軽減するため、ハンディカメラで撮影した前方監視映像を用いて信号設備のメンテナンスを支援するシステムを開発しています。構成品は市販のビデオカメラと三脚等のカメラ雲台のみであり、導入の初期コストを抑えられます。
2.システムの動作
開発中のシステムは、列車前方映像から列車の走行位置の推定や設備の認識を行う処理部と、処理した結果を表示する表示部から構成されています(図1)。また、軌道面の俯瞰画像の生成、キロ程の推定、設備の抽出、簡易図面の生成という4つの機能を持ちます。
3.表示画面
システムの動作画面は、図2のように表示されます。画面右上には軌道面の俯瞰画像を表示しています。前方映像の左上にはキロ程と速度、前方映像下には動画の各フレームに移動するスライドバーとフレームに対する速度のグラフがあり、閲覧したい場所を探すことができます。画面右下には設備リストを表示しており、設備をクリックするとそのフレームへジャンプできます。また、簡易図面(図3)やつなぎ目部分が滑らかな俯瞰画像(図4)も生成できます。
参考文献
- 長峯望、向嶋宏記:ハンディカメラを用いた信号設備認識システム、令和2年電気学会全国大会、2020.03
- 向嶋宏記、長峯望、山中浩司、坂元大介:ハンディカメラを用いた沿線設備認識システムの開発、日本鉄道電気技術協会、鉄道と電気技術、第32巻、第3号、2021
- 栗原璃、長峯望、向嶋宏記:ハンディカメラ映像からの長尺な軌道画像の生成手法、令和3年電気学会全国大会、2021.03