4. 確率論的リスク評価を用いた強風時の車両安全性評価手法

 近年、気象災害の激甚化が顕著になっており、強風災害に対する鉄道の強靭化は喫緊の課題のひとつです。
 一方、強風規制を強化することは安定輸送と利便性の低下を招く可能性があります。
 そこで、強風下を走行する列車の安全性評価に確率論的リスク評価手法を導入し、列車の転覆に対する安全を確保した上で安定輸送を維持するための安全性評価方法を提案しました。

車両の転覆耐力を表す転覆限界風速の算定に用いる左右振動加速度は常に一定ではなく、走行時の状況に応じてばらつきが生じます。
 また、車両を転覆させる外力である強風の風速値も、強弱が変化してばらつきが生じます。
 耐力と外力のばらつきの影響を評価するために、それぞれを確率分布で表し(図1)、破壊確率の考え方を適用することで転覆耐力を上回る風外力の発生確率を求め、この確率を車両の転覆の可能性を表す危険度指標として用います(図2)。

 この危険度指標は、車両の種類や沿線の風況に即した規制風速の検討に活用できます。
 例えば、過去に事故が発生していない条件での危険度指標値を基準とすることで安全な規制風速を設定することができます。
 また、転覆限界風速が異なる新型車両を導入する場合にも、線区に一律の危険度指標を採用することで、転覆限界風速に応じて規制風速を柔軟に設定できます(図3)。

その他の関連コンテンツ