補強盛土一体橋梁の設計法の開発
1.はじめに
従来、地山あるいは盛土と接する橋梁では、盛土、橋台壁、支承部、桁から成る橋梁が用いられてきましたが、盛土の沈下や土圧による橋台の損傷が生じることがあります。また、支承部は、維持管理の手間が大きく、地震時に損傷することもあります。これらは、列車の安全な走行に影響する克服するべき課題です。
2.補強盛土一体橋梁の特徴
補強盛土一体橋梁(GRS一体橋梁)は、ジオテキスタイルを用いて背面盛土を補強する(補強盛土)とともに、支承部を無くしてラーメン構造としたコンクリートく体と補強盛土をそのジオテキスタイルにより一体化した橋梁です。従来橋梁と比べて、盛土の補強による沈下や土圧の低減、支承部の省略による維持管理の負担の軽減、補強盛土とコンクリートく体の一体化による耐震性の向上が期待できます(図1)。
3.設計・施工指針の発刊
橋台壁とPCT形桁の接合構造の開発や緩衝層ばね(補強盛土の圧縮・引張抵抗ばね)の繰返し応答特性、常時および地震時応答の検討などこれまでの研究や設計・施工で得られた知見・経験をまとめて、『補強盛土一体橋梁(GRS一体橋梁)の設計・施工指針』を作成しました(図2)。
補強盛土一体橋梁の構造および施工法は、特許第4863268号として登録されています。
PCT桁と橋台壁の接合部の構造および施工法は、特開2016-191279と特開2017-57701として(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 と共同出願しています。
本研究の一部は、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。
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参考文献
- (公財)鉄道総合技術研究所、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構:補強盛土一体橋梁(GRS一体橋 梁)の設計・施工指針、平成29年3月
- 轟俊太朗、岡本大、西岡英俊、玉井真一、米澤豊司、石井秀和:PCT形桁を用いた補強盛土一体橋梁の設計法、鉄道総研報告、第30巻、第12号、pp.23-28、2016.12
- 佐々木徹也、西岡英俊、轟俊太朗、玉井真一、山崎貴之、進藤良則:橋長の違いがGRS一体橋梁の地震時応 答に与える影響の解析的検討、土木学会年次学術講演会講演概要集、Vol.70、I-117、pp.233-234、2015
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