軌道力学研究室
Track Dynamics
軌道力学研究室では、レール/車輪接触力学(トライボロジー)と車両/軌道動力学(ダイナミクス)の研究を行っています。具体的にはトライボロジーの分野では、シェリングなどレール/車輪の転がり接触に関する様々な問題の基礎となる接触応力の解析、接触状態の把握、粘着力特性に与える水、表面粗さ等の影響の解明、走行安全等に関わる車輪/レール間の摩擦現象の解明などを行っています。また、レールの摩耗や損傷対策として、潤滑剤の開発、レール側摩耗に与える影響因子の解明に取り組んでいます。ダイナミクスの分野では、より適用範囲が広く、予測精度の高い軌道の動的応答解析モデルの構築とそれを用いた軌道狂い進みの予測、さらには、道床バラストの沈下現象の解明とバラスト軌道劣化モデルの開発に取り組んでいます。
研究開発
落葉に起因する空転・滑走現象の解明 NEW
山間線区で秋季に多発する落葉による車輪の空転・滑走現象を解明するため、車輪とレールの間に落葉が介在したときの車両走行試験を実施し、低粘着現象の発生メカニズムを調べました。
山間線区で秋季に多発する落葉による車輪の空転・滑走現象を解明するため、車輪とレールの間に落葉が介在したときの車両走行試験を実施し、低粘着現象の発生メカニズムを調べました。
湿潤条件下の車輪・レール粘着メカニズム
雨天時の空転・滑走対策に寄与する影響因子に関して、車輪・レール間の粘着力に及ぼす表面粗さと温度の影響を室内試験によって調べました。
雨天時の空転・滑走対策に寄与する影響因子に関して、車輪・レール間の粘着力に及ぼす表面粗さと温度の影響を室内試験によって調べました。
曲線部における車輪/レール潤滑手法
潤滑剤の基本特性を調べ、車両走行シミュレーション手法を用いて潤滑パターンによる横圧低減効果を評価しました。
潤滑剤の基本特性を調べ、車両走行シミュレーション手法を用いて潤滑パターンによる横圧低減効果を評価しました。
車輪/レール接触による摩耗・損傷メカニズム NEW
室内試験ならびに解析により、車輪/レール接触に起因する摩耗・損傷現象を再現し、予測式の構築や対策法を提案しました。
室内試験ならびに解析により、車輪/レール接触に起因する摩耗・損傷現象を再現し、予測式の構築や対策法を提案しました。
レールのき裂進展予測
メッシュフリー法による三次元弾性解析プログラムを作成し、さまざまな条件下における、横裂の進展解析を行いました。
メッシュフリー法による三次元弾性解析プログラムを作成し、さまざまな条件下における、横裂の進展解析を行いました。
バラスト軌道の沈下・流動解析モデル「DEMCS-track」 UPDATE
バラスト軌道の離散体シミュレーションに用いるプログラムと解析モデルを改良し、計算速度と計算精度を向上しました。
バラスト軌道の離散体シミュレーションに用いるプログラムと解析モデルを改良し、計算速度と計算精度を向上しました。
地理・気象データを使用した広域レール温度予測システム NEW
地理・気象データを用いた解析より、広域(約100km)・高分解能(約1m)・高頻度(約10分間隔)のレール温度を日陰を加味して予測するシステムを開発しました。
地理・気象データを用いた解析より、広域(約100km)・高分解能(約1m)・高頻度(約10分間隔)のレール温度を日陰を加味して予測するシステムを開発しました。
固有振動によるロングレール軸力測定法
レールの固有振動数が軸力によって変化する性質に着目し、固有振動数の測定結果からロングレールの軸力を推定する手法を開発しました
レールの固有振動数が軸力によって変化する性質に着目し、固有振動数の測定結果からロングレールの軸力を推定する手法を開発しました
バラスト軌道の動的応答と沈下挙動
弾性体個別要素法プログラムを開発し、個々のバラストの詳細形状を再現したバラスト軌道モデルを構築しました。
弾性体個別要素法プログラムを開発し、個々のバラストの詳細形状を再現したバラスト軌道モデルを構築しました。
実験設備
車輪・レール高速接触疲労試験装置
車輪とレールの転がり接触疲労による損傷、摩耗の再現や、損傷・摩耗対策の評価に使用します。
車輪とレールの転がり接触疲労による損傷、摩耗の再現や、損傷・摩耗対策の評価に使用します。
2円筒転がり接触試験機
車輪とレール間の粘着力特性の解明を主な目的としています。
車輪とレール間の粘着力特性の解明を主な目的としています。
転がり—すべり摩擦力試験機
低速域における車輪とレール間の過渡的トラクション係数および影響因子について研究することを目的としています。
低速域における車輪とレール間の過渡的トラクション係数および影響因子について研究することを目的としています。