9. 感圧センサ内蔵戸先ゴムを利用した戸挟み検知システム

 感圧センサを内蔵した戸先ゴムと非接触給電装置を組み合わせた、戸挟み検知システムを開発しました。
 本システムは、頻繁に可動する側引戸と車体の間をケーブルで配線することなく検知情報を伝送できます。

 戸先ゴムに内蔵した感圧センサは、挟み込みや引きずりを検知すると非導通状態から導通状態に変化します(図1)。
 また、非接触給電装置は非接触で親機から子機に電源を供給します。
 そのため、非接触給電装置の電源供給の有無によって挟み込みや引きずりを把握できます(図2)。
 感圧センサを内蔵した戸先ゴムの形状は、挟み込みに対する検知感度を高く保ちながら、車外での引きずりを検知しやすくするため、車内外で非対称としています(図1)。 
 この感圧センサは10N以上の荷重による変形を検知できるので、従来のシステムで検知が困難であった直径10mm程度以下の介在物の挟み込みや、携帯ストラップといった細い紐による引きずりの検知が可能です(図3)。

 本システムについて、実車両の10年間以上の開閉回数に相当する100万回の開閉試験を実施しましたが、システムに不具合や誤検知は発生しませんでした。
 また、本システムを実車両に約1年間設置したところ、引きずり等に発展する危険性が低い状況での戸先ゴムへの接触による検知が発生するものの、見逃しや空振りは発生しませんでした。

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