14. 車両床下外観自動検査システム
列車検査(または仕業検査)は、車両を分解せずに行う定期検査ですが、検査周期が短く、主に検査員の目視により確認が行われているため、人手を要します。
そこで、検査箇所が多い台車や車両床下部に対して、外観上の異常の有無を自動で検査するシステムを開発しました。
本システムは、車両基地の入り口等に設置する撮影装置により、通過する車両の床下部を撮影します(図1、図2)。
ラインスキャンカメラを用いることで高精細な連続画像が得られます。
車体に表示されている車両番号を撮影画像から自動認識することで、RFタグ等を車両に搭載することなく撮影画像を車両番号で管理できます。
また、撮影上の外乱となる直射日光や雨等の影響を抑えつつ、正常な外観との差異を異常度として評価する診断アルゴリズム(図3)により、昼夜、晴雨を問わず不特定の異常の検知が可能となります。
入換車両を最大21ヶ月間撮影して検証した結果、模擬異常24種類のうち、17種類(表1)に対して、見逃し0% かつ誤検知1 %未満の精度で診断できることを確認しました。
列車検査の目視確認箇所を本システムで自動検査することにより、車両検査の省人化に寄与します。