2. 海底地震計情報を利用した早期地震警報手法の実用化

  • 海底地震計データを用いた早期地震警報手法を開発し、実データを用いて規定値 や誤警報防止手法の有効性を検証しました。
  • 海溝型地震では従来より10秒以上早く警報を出すことができると想定されます。

公的機関により整備されている海底地震計のデータを活用した早期地震警報手法を開発しました。 海底地震計の整備が概ね完了したことから、観測データが蓄積され始めた対象領域での実データを用いて、これまでに提案した警報手法の検証を行いました。 また、誤警報防止のための処理手法を開発することにより、鉄道で実用できる早期地震警報手法を提案しました。

はじめに、防災科学技術研究所が整備した S-net が記録した137地震のデータを用いて、対象領域で観測されたデータの距離減衰と増幅の特性を把握しました(図1)。 まず、S-netデータの最大加速度値は、陸域データによる減衰の傾向と概ね一致すること、さらに陸域データに比べて振幅が増幅する傾向にあることを確認しました。 これらは、これまで手法の検討に用いてきた小規模な海底地震計網データと同傾向であり、距離減衰と海底の増幅特性を考慮した規定値超過による警報手法が適用可能であることを示します。また常時のノイズ特性を確認し、単独観測点の処理のみでは誤警報を防ぐことが困難なケースがあることが分かりました。

そこで、誤警報のリスクを低減するため、一点が規定値を超過し(図2赤丸)かつ他の点が一定の振幅レベル(検知用しきい値)を超えた際(図2青丸)に警報を出力する、複数観測点による処理手法を提案しました。 この手法により単独観測点の規定値超過による警報手法に比べ大きな遅延がなく、誤警報のリスクが小さい警報出力が可能となります。

海域で発生する大地震の際に、海底地震計のデータを活用することで、陸上地震計のみを用いる従来の早期地震防災システムに比べて、状況により余裕時間が10秒以上増加すると想定されます。

図1 距離減衰式と観測データの関係
図2 複数観測点による警報処理手法
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