4. 大地震に対する表層地盤の応答評価手法

構造物の地震時安全性は、表層地盤の挙動に大きく影響を受けるため、建設地点の土の固さを正しくモデル化した地盤応答解析により変位などの応答値算定や液状化判定を実施する必要があります。 このとき、土の固さを算出するために変形特性試験を行いますが、従来の方法(従来法)では地震動の繰り返しによる土粒子間の水圧増加の影響を大きく評価するため、過度に柔らかい土として評価してしまいます。

そこで、できる限り水圧増加の影響を除いて土の固さを算出できる試験法(提案法)を提案しました。 この提案法から得られる結果を用いて地盤応答解析を実施することで、模型試験結果と整合する地盤変位の算定(図1) と液状化判定(表1)が可能なことを確認しています。

一方で、土粒子が破砕しやすい土や火山灰質土などの特殊土では、提案法から得られる結果を正しく解析モデル化できない場合があります。 そこで、特殊土の特性はせん断試験で再現し、他の一般的な土の特性はシミュレーションで求めるハイブリッド地盤応答試験装置を開発しました(図2)。 これにより特殊土を含む場合でも、表層地盤の応答評価が可能となりました。

これらの成果は、大地震に対する構造物の設計等において活用でき、構造物の地震時安全性の確保に寄与します。

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