7. 洗掘被災橋りょうの再使用可否判定フロー

近年の局所的短時間豪雨や台風等による水害の増加に伴い、特に建設年次が古い旧式河川橋りょうが被災し、基礎の支持地盤が洗掘を受けて橋脚が沈下・傾斜し、鋼桁支点部に変状を生じるという中小規模の被災形態も多くみられます(図1)。 このような中小規模の被災後に、早期に運行を再開するためには、橋りょう全体を再構築するよりも残った桁や橋脚を最小限の補修のみで再使用することが求められます。 そこで、洗掘による被害が大きくても被災前と同程度の残存抵抗力が期待できる場合もあることを模型実験(図2)により確認しました。

ただし、被災した橋脚基礎は、抵抗力が大きく低下して建設時の安全率を確保できなくなっている可能性もあることから、試験列車走行時の沈下量を用いた運行再開可否の定量的な判断基準として、沈下量の実測値から残存抵抗力を推定して応急復旧に必要とされる安全余裕が確保できかを評価する手法を提案し、被災橋りょうの再使用可否の判定フローを提案しました(図3)。

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