11. 小歯車軸受の焼付き発生における組合せすきまの影響

鉄道車両の小歯車軸受の焼付きを防止し、歯車装置の信頼性を向上させるために、回転中の軸受のエンドプレイ値(図1)が適切に確保されることが重要です。 そこで、台上回転試験を行い、エンドプレイ値の変化を測定するとともに、軸受や周辺部材の温度変化によるエンドプレイ値の変化を計算で推定しました。

その結果、ギヤ油の温度が低いほど回転開始直後にエンドプレイ値が大きく減少することや、測定値と計算値の差は最大で0.02mm程度と小さく、変化の傾向もほぼ一致することを確認しました(図2)。 また、軸受の回転トルクや各部の温度を測定し、回転中の軸受や周辺部材の温度変化によりエンドプレイ値(計算値)が 0mm近くまで減少した場合に焼付きが発生して、軸受の回転トルクや温度が急激に増加することがわかりました(図3)。

このことから、軸受の焼付き防止には、回転中のエンドプレイ値が0mm近くまで減少しない組立方法や、調整不要な構造が有効と考えられます。

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