18. 携帯情報端末を用いた簡易な列車巡視支援方法

 線路の保守状態や沿線環境の変化等の線路全般の状態を確認するため、係員が営業車等に添乗して行う列車巡視が定期的に行われていますが、人的負担が大きく、また熟練技術者の減少により、線路状態の判断に個人差が生じます。
 そこで、汎用の携帯情報端末にインストールし、列車前頭に設置することで、簡易な操作で前頭動画と列車速度・振動加速度等を同期計測可能な列車巡視支援アプリ(Train Patroller)を開発しました(図1)。
 携帯情報端末は吸盤治具を用いて簡単に運転室内へ設置でき、添乗から3分以内で計測開始可能です。

 列車巡視支援アプリで計測したデータは、軌道保守管理データベースシステム(LABOCS)の新機能として開発した動画と列車速度の同期分析手法を用いることで、列車前頭動画に誤差数 m程度の精度でキロ程を付与するとともに(図2)、字幕情報として、列車速度や振動加速度等を動画に字幕表示したり、俯瞰画像によって軌道部材の状態を確認したりできるようにしました(図3)。
 これにより、取得された振動加速度や前頭動画を机上で確認することで、添乗係員の熟練度によらない軌道状態の確認や軌道状態に応じた適切な保守計画の策定が可能となります。
 なお、地域鉄道への導入を促進するため、LABOCSを直接使用しないデータ分析手法の開発についても進めていきます。

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