22. 折返し駅および車両基地での整備作業計画自動作成手法

 新幹線等の優等列車では、折返し駅および車両基地において、車内清掃等の整備作業が行われます。
 これを円滑に行うために、複数の作業班を複数の車両編成の整備作業に割り当てる整備作業計画が必要であり、日々異なる列車ダイヤ・車両運用に応じて、熟練の担当者が手作業で各日の計画を作成しています。
 1日分の計画の作成には約3時間を要しており、作成業務の省力化や脱技能化が求められています。

 整備作業計画は、各作業班の出退勤時刻や休憩時間等の勤務条件、各作業間の移動時間に関する条件等、折返し駅と車両基地によって異なる様々な条件を満たす必要があります(図1)。
 これらの条件には優先度があり、従来の条件等を定式化して解くだけでは良質な計画を高速で作成することはできません。
 そこで、良質な解を高速で求められるタブーサーチと呼ばれる手法を適用した整備作業計画の自動作成手法を開発しました。
 開発手法では、各種条件の優先度を考慮した暫定の計画を自動作成し、その後、労働負荷が軽減されるように、計画を自動的に改良します。(図2)。

 開発手法により、1日分の整備作業計画を3分以内で自動作成できるようになりました。
 作成された計画を、担当者が作成した計画と比較した結果、労働負荷の評価指標の1つである番線移動時間が折返し駅では平均25%、車両基地では平均56%削減されることを確認しました(図3)。
 これにより、計画作成業務の省力化と脱技能化、および整備作業員の労働負荷の低減が可能です。

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