16. 列車前方画像活用のための画像解析コア技術

 鉄道では、線路周辺設備の状態や沿線環境の状況を確認するため、列車に添乗した係員による巡視が行われています。
 近年、この巡視の際の状況を画像として保存できるように、列車前頭からビデオカメラで撮影をする鉄道事業者も増えています。
 この画像を活用して設備の位置や状況を把握することにより、工事設計等の効率化、巡視・検査業務の省力化が期待されます。

 列車前方画像を、保線、電力等の各技術分野で共通して利用し、工事設計や保守等の様々な業務に活用するためには、
 ①列車前方画像からキロ程に相当する線路上の位置を精度よく算出する手法、
 ②列車前方画像を真上から見た俯瞰画像に変換する手法、
 ③複数の俯瞰画像から長尺の線路沿線画像を生成する手法(図1)、
 ④画像中の設備類を認識する手法(図2)、
 ⑤認識した設備の劣化度等を判定する手法が有用です。
 そこで、①〜⑤を、前方画像を様々な用途に活用する際に共通して利用可能なコア技術として開発し、モジュール化しました。

 各鉄道事業者が前方画像を用いた業務改善や安全性向上のためのアプリケーションを開発する際に、これらのモジュール群を組み合わせて基本部分を構成することで、開発工程を効率化できます(図3)。

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