14. 狭隘箇所に適用可能な補強土擁壁の背面施工法
補強土擁壁(RRR工法)は、補強盛土を構築し(図1のSTEP1)、沈下が収束した後に壁体を構築する(図1のSTEP2)2段階施工が一般的です。
このうちSTEP2の壁体構築時には壁体前面に足場が必要となり、狭隘箇所での施工が困難でした。
特に営業線に近接した箇所では、線路閉鎖を伴う夜間施工となることから、工事が長期化・高コスト化する課題がありました(図1)。
そこで、壁体前面を支障せずに施工する工法として、盛土背面側から補強盛土と同時に型枠を設置する背面施工法を提案しました。
従来は補強盛土の構築後に施工していた壁体の型枠を、脱型が不要な軽量埋設型枠を用いて、盛土背面側から設置します(図2(a))。
一方、補強盛土と埋設型枠を同時施工する場合、埋設型枠はL形鋼と盛土側からのアンカー材を介して支持されるため、補強盛土の沈下に伴い変状するという課題がありました。
これに対し、L形鋼に沿って鉛直方向にのみスライド可能な沈下許容部材を開発し、アンカー材に沈下許容部材を取り付けることで盛土の沈下に追随可能となります(図2(b))。
提案法により、営業線に近い狭隘な箇所の施工では、工期を30%、工事費を15%削減できます。
これらの工法については、設計・施工マニュアル、積算マニュアル、材料マニュアルを整備しており、実施工への適用が可能です。
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