19. 無螺締板ばね式レール締結方法

 日本で多く利用され十分な実績を持つ板ばね式のレール締結装置は、板状の締結ばねをボルトで締め付けてレールを固定する螺締式であり、ボルトの緩みを定期的に検査し、緩んでいる場合は締め直しを行う必要があります。
 一方で線ばねクリップに代表される、ボルトを用いない無螺締式のレール締結装置も使われていますが、既設のまくらぎを無螺締式に対応するまくらぎに交換する必要があります。
 そこで、板ばね式のレール締結装置の構成部材を専用板ばね、固定用ボルトと締結座金に交換し、既設のまくらぎはそのままで、螺締式から無螺締式に変更可能なレール締結方法を考案しました(図1)。

 本方法では、ボルトの締め直しを不要とするため固定用ボルトをまくらぎに接着します。
 その後、板ばねを下側に押し付けて生じる隙間に締結座金を挿入し、押付力を取り除くとレールの固定が完了します。
 保守時には再度板ばねを押し付けることで締結座金を取り除くことができ、緩解した状態にすることが可能です。
 なお、このレール締結方法は直結系軌道用のレール締結装置にも応用可能です。
 併せて、提案した締結方法の締結・緩解を容易にするため、専用の工具を考案しました(図2)。
 これにより、1箇所あたり約5秒で締結・緩解が可能です。

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