21. 縦ひび割れに着目したPCまくらぎの健全度評価システム

 近年、経年PCまくらぎの一部に長手方向のひび割れ(縦ひび割れ)の発生が確認されており、これがまくらぎの性能に及ぼす影響の把握と、効率的な検査手法の構築が求められています。
 そこで、PCまくらぎの実態調査を行うとともに、保守用車等に搭載したカメラで撮影したPCまくらぎの画像から縦ひび割れの長さを推定し、健全度を評価するシステムを構築しました。

 営業線の経年PCまくらぎ200本と新品PCまくらぎ5本を対象とした耐力の実態調査の結果、縦ひび割れは曲げ耐力への影響は小さいものの、縦ひび割れ長さの増加とともに埋込栓の引抜耐力が低下する傾向があることを明らかにしました(図1)。
 この関係に基づく健全度評価を実施するために、深層学習を用いて、PCまくらぎ上面画像から縦ひび割れを自動抽出し、長さを推定する手法を開発しました(図2)。
 さらに、推定したひび割れ長さと図1の関係を用いて、PCまくらぎの健全度評価を自動で行うシステムを構築しました(図3)。

 このシステムを用いることで、例えば、従来では目視により実施していた膨大な数の PCまくらぎに対する縦ひび割れの発生状況の把握や健全度評価を自動で行うことができ(図4)、安全性の向上と維持管理業務の効率化が可能となります。

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