17. トンネル壁面の画像を用いた検査支援システム

 鉄道トンネルには、戦前や高度経済成長期に建設されたものが数多く存在します。
 現在は、経験豊富な技術者による定期的な検査により適切に維持管理されていますが、今後、技術者の減少が見込まれており、省人化や脱技能化が求められています。

 そこで、デジタル技術の活用により、定期検査の時間短縮と省人化を図ることができる技術を開発しました。
 トンネル壁面画像から個々の変状をAIで抽出し、トンネル全体の健全度と重点的に検査すべき要注意箇所を特定する技術を開発し、アプリケーション化しました(図1)。
 AIの構築にあたっては、日本全国の鉄道トンネルの変状データベースを学習させ、これまでのひび割れの検知に加えて、健全度判定に必要なさび汁、漏水、漏水跡、補修跡等も90%以上の精度で抽出できる結果が得られています。
 また、特定した要注意箇所をトンネル壁面に表示できる移動式の投影装置を開発しました(図2)。
 断面形状に基づき投影するメッシュを形状補正し、走行量測定装置に連動してメッシュを水平移動することができます。

 模擬的な検査において、机上での作業量を約1/10に削減、現地確認の速度を約2倍に向上し、検査の時間短縮と省人化が図れます(図3)。

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