12. 高速車両からの落雪による信号設備の被害推定表示ツール
積雪地域では、車両に付着・成長した着雪がトンネル内等で温まり、高速走行中に落下して信号設備を破損させることがあります。着雪が多い時には、夜間に巡回して信号設備を目視点検していますが、点検に時間を要するという課題があります。
そこで、まず落雪による信号設備の被害推定手法を構築しました。落雪は車両との接触部が溶けて生じるため着雪の温度が重要となります。ここでは外気温をトンネル進入時の着雪の温度として用いる落雪モデルを構築し、落雪による信号設備の被害が顕著なトンネル(長さ約7km)を対象として検証しました。7年間の被害件数の累積頻度(実績)と落雪時の衝撃荷重の累積頻度(計算)とを比較すると、提案した落雪モデルは、着雪の温度を一定(-4℃や0℃)とした場合(計算)に比べて、トンネル始点からの落雪頻度を表現できることが分かりました(図1)。また、このモデルにより計算される被害1件あたりの積算衝撃荷重の平均値20kJ(図2)をベースに、被害レベルを予測する信号設備の被害推定手法を構築しました。
次に、提案手法に基づき沿線の気象情報、トンネル・明かり等の施設情報、走行条件から、着雪の成長や落雪位置、信号設備の点検要否を計算するツールを開発し、タブレット端末に実装しました。10分程度の計算時間で被害推定区間を表示し、区間内の信号設備をリストアップすることができます(図3)。
本ツールを導入することで、重点的に点検すべき区間や区間内の信号設備を事前に確認できるようになり、点検業務の効率化が期待できます。
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