13. 前方画像によるホーム位置計測手法

 列車と近接する駅ホームは厳密な位置管理が求められるため、4年ごとの法定検査のほか、1から2年ごとの自主検査も実施されています。検査は、技術者が現地に赴き、専用器具により手動でホームのレールからの高さと離れ(以下、ホーム位置)を計測するため、多くの人工を要しています。一方で、近年多くの鉄道事業者において、設備診断などのために導入されている列車前方で撮影した動画(以下、前方画像)を利用して列車上からホーム位置を計測できれば、検査の省人化が可能です。

 ただし、携帯端末など単眼カメラで撮影された前方画像では特に奥行き方向の計測精度が確保できないことが、駅ホーム位置の計測における課題でした。これに対して、専用マーカを駅ホームの1計測断面に計3点設置(設置時間20 分程度)し、前方画像内に写ったマーカを基準として奥行き方向の位置や寸法を高精度に計測する手法を開発しました(図1)。本手法により、一般的なビデオカメラや携帯情報端末で撮影した画像でも、低コストにホーム位置の計測ができるようになりました(図2)。

 実路線の駅ホーム約35箇所で検証した結果、80km/h程度で通過する特急列車の前方画像を用いた場合、晴天時では高さが平均誤差15mm、離れが平均誤差10mmの精度でホーム位置を計測できることを確認しました。

 本手法は、列車巡視と合わせて取得した前方画像を用いることで、高頻度でのホーム位置のモニタリングができるため、現地に赴いて行う駅ホームの位置計測作業を省略できるほか、離れの小さい要注意箇所の重点監視にも活用できます。

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