14. 高頻度検査対象の架線設備の異常スクリーニング手法

 架線設備のメンテナンスの省人化のため、徒歩巡回を車両からの撮影画像の確認に置換していく取り組みが進められており、トロリ線周りの設備を対象に、膨大な画像から異常画像をスクリーニングする手法も開発されています。一方でこの手法を、より複雑な形状を含む検査周期1年以内の高頻度検査対象の架線設備全体へ拡張していくためには、局所異常の見逃しや背景映り込みによる誤検出への対応が課題でした。

 そこで、架線設備の特徴的な形状に特化した画像の部分切り出し(図1(a)) や縦横比の変更、座標処理とAIを組み合わせた高精度な背景除去(図1(b)) など、 異常検出AIへの入力画像に鉄道総研独自の前処理を施すことで、 異常スクリーニング精度を向上させる手法を提案しました。本手法は、可動ブラケットやビーム、がいし、流止装置などにも対応可能です。

 例えばがいしの場合、在来線車両から撮影された画像をベースに、代表的な異常を再現した加工画像を作成し、判別しきい値を変化させながら判別性能を総合的に評価する指標(AUROC)により、 本手法の異常スクリーニング性能を評価した結果、0.76から1.00に向上したことを確認しました(図2)。

 本手法により、 異常スクリーニングの対象架線設備を拡大することができ、 係員による異常画像確認作業を効率化することができます。

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