16. CGシミュレーションを活用したカメラ・センサによる検査システムの性能評価手法

 近年、カメラやセンサを用いた様々な検査システムの開発が進められています。従来、センサ配置や検査アルゴリズムの検証には現地試験が不可欠とされてきましたが、労力を要するほか、再現困難な条件への対応が課題でした。そのため、センサの配置は限られた実験に基づくものとなり、検査アルゴリズムの検証も都度の実データ取得に依存することから、配置や検査条件を広く比較検討することが困難でした。

 そこで、CGシミュレーションを活用し、現地試験によらずセンサの配置や検査アルゴリズムの性能を事前に評価できる手法を開発しました。本手法では、鉄道沿線の設備や車両モデルを構築したCG空間内に、カメラやセンサを任意に設置し、センサ固有の走査方式や照明、天候など様々な環境条件を反映したデータを仮想的に生成できます。画像生成AIとは異なり、図面に基づく正確な形状の再現や環境条件の直接的な制御が可能なため、データ生成から検査アルゴリズムの評価・条件変更まで、一連の流れで繰り返し実施できます(図1)。

 実際に、本手法を信号通信設備の検測システムの開発過程で適用し、カメラ・センサの選定や既存車両への配置検討(図2)、および設備状態を判定する手法の開発において、最も適切な方法を効率的に探索できることを確認しました。また、前照灯の配置シミュレーションでは、本手法で導出した最適条件が、現車試験においても最も良好な撮影結果をもたらすことを確認しました。

 本手法による評価環境を活用することにより、鉄道事業者におけるシステム開発の仕様決定や検査アルゴリズムの性能検証等を短期間に実施でき、開発・実装までの期間の短縮が可能です。

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