鉄道用腰掛の発熱速度予測モデルの構築

1.背景

鉄道車両に使用される材料について、車体は主にステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属材料で構成されますが、客室内には、壁や天井の化粧板、床や腰掛等に非金属材料が多く使用されます。そのため、鉄道車両の火災安全性向上には、万一の火災の際に客室内可燃物の燃焼性状を予測できるようにすることが重要です。現状、鉄道車両の内装材料に関して、国内外で小規模材料燃焼試験結果に基づく様々な火災安全対策が取り入れられています。しかし、小規模材料燃焼試験結果と実規模の火災性状は必ずしも相関せず、火災安全対策の有効性を高める上での課題となっています。

2.研究内容

本研究では、客室内装品のうち可燃物量として一定の割合を占める腰掛(特急車両に一般に使用される二人掛けのクロスシート1脚)に着目しました。腰掛1脚に対する燃焼試験(図1、EN16989準拠)における発熱速度(燃焼の激しさを示す指標)の予測が目的です。腰掛表面上の延焼挙動を熱着火理論に基づきモデル化(図2)し、コーンカロリーメータ試験(図3)やLIFT試験(図4)等の小規模材料燃焼試験結果をパラメータとして与えることにより、腰掛が燃焼した際の発熱速度を予測する手法を構築しました。

参考文献

  1. 高野純一, 松山賢:鉄道車両用腰掛燃焼性状に関する研究ー小規模材料燃焼試験結果を用いた発熱速度予測モデルの構築,日本火災学会論文集,74巻,3号,pp. 25-36,2024(※)

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