運転システム研究室

Transport Operation Systems

運転システム研究室では、日本の鉄道輸送のノウハウと最新の情報技術の融合により、便利で快適な輸送サービスの実現と、輸送計画・運行管理業務の省力化・脱技能化を促進するための研究開発を行っています。具体的には、運転曲線や列車ダイヤ、車両・乗務員運用、運転整理等を対象に、データ分析、シミュレーション、機械学習、数理最適化等の技術を用いて作成、分析するシステムやアルゴリズムを開発しています。また、運転時分計算の国際規格等、技術を活かした国際標準化活動にも取り組んでいます。

研究開発の実施にあたっては、鉄道事業者との連携により、鉄道輸送の実務に役立つ成果を目指しており、運転曲線作成システムSPEEDYや整備作業ダイヤ自動作成アルゴリズムなどは、鉄道事業者で実際に実用化されています。また、開発した手法、アルゴリズム等の学術面での成果は、電気学会や情報処理学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会などの学協会でも積極的に発表、発信しています。これらの活動の基盤として、研究室では、鉄道事業者との意見交換会や研究室内ゼミ、最新技術の勉強会等を定期的に開催し、日々、メンバーの専門知識や技術力の向上に取り組んでいます。

研究開発の対象:運転曲線、運転設備、列車ダイヤ、車両運用、乗務員運用、構内入換計画、運転整理、運用整理、清掃計画
活用技術:機械学習、ビッグデータ分析、シミュレーション、スケジューリング、数理最適化、動的計画法、メタヒューリスティクス

研究開発

データ分析技術の応用

機械学習を用いた列車遅延予測手法

過去の実績の発遅延や乗車率をもとに、機械学習を用いて列車の遅延を予測する手法を構築しました。

過去の実績の発遅延や乗車率をもとに、機械学習を用いて列車の遅延を予測する手法を構築しました。

機械学習を用いた列車混雑予測手法

運転見合わせからの再開後のダイヤ乱れ時を対象に、過去の実績の列車混雑や先行列車との時間間隔といった入力データをもとに、機械学習を用いて列車の混雑を予測する手法を開発しました。

運転見合わせからの再開後のダイヤ乱れ時を対象に、過去の実績の列車混雑や先行列車との時間間隔といった入力データをもとに、機械学習を用いて列車の混雑を予測する手法を開発しました。

遅延の影響度・影響人数評価に基づく遅延対策支援システム

日々収集される列車遅延データを分析し、遅延が波及する範囲の大きさや、遅延により目的駅到着が遅れる旅客人数の観点から列車ダイヤを評価し、遅延対策を優先的に実施すべき箇所を抽出する手法を開発しました。

日々収集される列車遅延データを分析し、遅延が波及する範囲の大きさや、遅延により目的駅到着が遅れる旅客人数の観点から列車ダイヤを評価し、遅延対策を優先的に実施すべき箇所を抽出する手法を開発しました。

実績データを用いた輸送障害時の旅客流動分析手法 UPDATE

日々収集される運行実績データ、乗車人数データを分析し、輸送障害時の旅客流動を可視化する手法と、運転再開前、および再開後の利用者数を予測する手法を構築しました。

日々収集される運行実績データ、乗車人数データを分析し、輸送障害時の旅客流動を可視化する手法と、運転再開前、および再開後の利用者数を予測する手法を構築しました。

自動改札機データを活用した旅客流動調査 UPDATE

自動改札機データの活用により、時間帯や駅間ごとの利用者数等、広範囲での詳細な旅客流動を把握し、ダイヤ改正の方針決定や駅設備改良などの施策の検討を適切に進めることを支援します。

自動改札機データの活用により、時間帯や駅間ごとの利用者数等、広範囲での詳細な旅客流動を把握し、ダイヤ改正の方針決定や駅設備改良などの施策の検討を適切に進めることを支援します。

シミュレーション技術の応用

運転曲線作成システムSPEEDY

線路上の制限や列車特性をもとに手軽に運転曲線を作成するために開発したシステムです。

線路上の制限や列車特性をもとに手軽に運転曲線を作成するために開発したシステムです。

閉そく割り検討支援システム

新路線の建設や線形改良の変更をする際に必要となる信号機配置(閉そく割り)の検討を支援するシステムです。

新路線の建設や線形改良の変更をする際に必要となる信号機配置(閉そく割り)の検討を支援するシステムです。

旅客流動を考慮した対話型ダイヤ作成システム

ユーザによる列車ダイヤの作成・修正と、そのダイヤ案における各列車乗車人数の推定を、対話的に実施できるシステムを開発しました。ダイヤ案を作成したその場ですぐに、各列車の推定乗車率を確認し、それを踏まえたダイヤ案の修正を繰り返すことで、混雑バランスが良い列車ダイヤを効率的に作成できます。

ユーザによる列車ダイヤの作成・修正と、そのダイヤ案における各列車乗車人数の推定を、対話的に実施できるシステムを開発しました。ダイヤ案を作成したその場ですぐに、各列車の推定乗車率を確認し、それを踏まえたダイヤ案の修正を繰り返すことで、混雑バランスが良い列車ダイヤを効率的に作成できます。

列車運行・旅客行動シミュレータ UPDATE

ダイヤ改正案の事前検証を目的に、自動改札機等で収集される旅客データと列車ダイヤデータを用いて、ある列車ダイヤで運行した場合の、各列車の運行状況や旅客流動を再現するシミュレータを開発しました。具体的には、旅客1人1人の入場駅から出場駅までの列車の乗継経路、各列車の乗車率、各列車の遅延を推定し、列車ダイヤを評価します。

ダイヤ改正案の事前検証を目的に、自動改札機等で収集される旅客データと列車ダイヤデータを用いて、ある列車ダイヤで運行した場合の、各列車の運行状況や旅客流動を再現するシミュレータを開発しました。具体的には、旅客1人1人の入場駅から出場駅までの列車の乗継経路、各列車の乗車率、各列車の遅延を推定し、列車ダイヤを評価します。

列車内旅客行動シミュレータ

整列乗車方法の変更等、乗降円滑化施策による効果を評価する目的で、旅客乗降状況を詳細に再現する列車内旅客行動シミュレータを開発しました。

整列乗車方法の変更等、乗降円滑化施策による効果を評価する目的で、旅客乗降状況を詳細に再現する列車内旅客行動シミュレータを開発しました。

数理最適化・メタヒューリスティクス技術の応用

車両運用計画自動作成アルゴリズム UPDATE

列車ダイヤに対して車両の使用方法を決める車両運用計画の効率化を目的として、自動作成アルゴリズムを開発しました。

列車ダイヤに対して車両の使用方法を決める車両運用計画の効率化を目的として、自動作成アルゴリズムを開発しました。

乗務員運用計画自動作成アルゴリズム UPDATE

運転士と車掌の勤務計画である乗務員運用計画を対象として、要員効率性に着目した自動作成アルゴリズムの研究開発を行っています。

運転士と車掌の勤務計画である乗務員運用計画を対象として、要員効率性に着目した自動作成アルゴリズムの研究開発を行っています。

整備作業ダイヤ自動作成アルゴリズム NEW

ターミナル駅および車両基地における清掃員の整備作業ダイヤ作成に対して、効率化・省力化のための自動作成アルゴリズムを開発しました。

ターミナル駅および車両基地における清掃員の整備作業ダイヤ作成に対して、効率化・省力化のための自動作成アルゴリズムを開発しました。

運転整理支援に関する研究

事故等で列車ダイヤに乱れが発生したときに正常ダイヤに戻すために列車ダイヤを変更する作業(運転整理)を支援するための研究開発を行っています。

事故等で列車ダイヤに乱れが発生したときに正常ダイヤに戻すために列車ダイヤを変更する作業(運転整理)を支援するための研究開発を行っています。

列車運行の省エネルギー化に関する研究 UPDATE

列車の走行エネルギーは運転方法によって大きく変動するため、省エネとなる効率的な運転操作に関する研究開発を行っています。また、消費電力量を詳細に推定する列車運行電力シミュレータの開発や、列車運行全体で省エネとなるよう、列車ダイヤを調整する研究開発も行っています。

列車の走行エネルギーは運転方法によって大きく変動するため、省エネとなる効率的な運転操作に関する研究開発を行っています。また、消費電力量を詳細に推定する列車運行電力シミュレータの開発や、列車運行全体で省エネとなるよう、列車ダイヤを調整する研究開発も行っています。