軌道不整に起因する列車走行時の地盤振動のシミュレーション

列車走行により発生する地盤振動に影響を与える要因の一つに、レール頭頂面の凹凸(以下、レール凹凸)などの軌道不整があります。しかし、軌道不整による地盤振動への影響を定量的に評価する方法については十分な検討がなされていませんでした。

そこで、シミュレーションモデルの適用性を確認するとともにレール凹凸低減による地盤振動低減効果を検証するため、車両・軌道・構造物系の動的シミュレーション(図1)を実施しました。対象としたのは、土被りの小さいトンネルにおいて、波長2m程度の長いレール凹凸を試験的にレール削正し平滑化した箇所です。

レール削正前後に測定されたレール凹凸波形(図2)を用いたシミュレーションの結果(図3)は実測されたトンネル内振動の変化等とおおむね整合しており、モデルの適用性や振動低減効果を定量的に確認することができました。

軌道不整と地盤振動の関係を定量的に把握するため、軌道や構造物などの条件が異なる場合についても引き続き検討を進めていきます。

参考文献