クリープ力試験装置

1.車輪・レール間のクリープ力

走行中の車輪とレールの間には微小なころがりすべりが生じており、そのすべりにより接触面内にクリープ力と呼ばれる作用力が発生します。このクリープ力は車輪とレールの形状やそれらの相対的な位置関係にともなう接触状態や荷重などにより変化し、車両の走行安定性、乗り心地、軌道に与える力などに影響します。そのため、鉄道車両のダイナミクスを考える上で重要な因子です。

2.クリープ力試験装置によるクリープ力特性の把握

クリープ力試験装置の概要を図1と図2に示します。本試験装置は軌条輪の上に実物の輪軸を設置して使用します。本試験装置は、曲線通過の模擬や軸箱への上下力の負荷、ならびに加振機構を備えています。これらの機能を用いて、走行安全性に関わる車輪フランジのレール乗り上がり開始状態でのクリープ力特性の把握や、輪重・速度に対する依存性・飽和特性などについての研究を行っています。主な仕様を表1に示します。

参考文献

  1. 土井久代:車輪とレール間のクリープ力, RRR, Vol.65, No.8, pp.6-9, 2008.8