ステンレス車体構造の長手方向破壊挙動評価

中間車の車両長手方向圧縮破壊挙動に関する検討を行いました。過去の事故事例を参考に、ステンレス鋼製車体各部の静的圧縮破壊試験を実施し(図1)、車端部、客室の出入口部や窓部の圧縮荷重−変形量特性などを明らかにしました。また、圧縮試験に対応するFEM解析を行い(図2)、その妥当性を検証し、精度向上を図った結果、試験結果の変形挙動を精度良く再現できました。また、編成列車の衝突時に、中間連結部における一方の車端部の車体台枠が他方の車体台枠に乗り上がることを想定して、台枠より上部のみを圧縮する試験を行いました。その結果、乗り上がりのない場合に比べて、小さな圧縮荷重で変形量が大きくなることが明らかになりました。

本研究は、国土交通省の鉄道技術開発費補助金を受けて実施しました。

参考文献

  1. 加藤 幸夫, 沖野 友洋, 宇治 田寧, 舟津 浩二:編成車両の衝突解析手法(その1), 日本機械学会関東支部第12期総会講演会講演論文集, pp. 259-260, 2006
  2. 宇治 田寧, 沖野 友洋, 加藤 幸夫, 舟津 浩二:編成車両の衝突解析手法(その2), 日本機械学会関東支部第12期総会講演会講演論文集, pp. 261-262, 2006