ディーゼル車両用発電システムの高効率化

近年、非電化区間用の車両として採用が拡大しているハイブリッド車両や電気式ディーゼル車両では、ディーゼルエンジンに直結した発電機で発電した電力を直流電力に変換して使用する発電システムが多く採用されています。
そこで、運用コスト削減や地球環境問題への取り組みの観点から、発電システムを高効率化して燃料消費量を削減することを目指した研究開発に取り組んでいます。

発電システムの効率が最大となる回転速度とトルクの組み合わせの例 発電システムの効率を向上するためには、ディーゼルエンジンの効率を向上することが重要です。そこで、単体試験により各動作点(回転速度とトルクの組み合わせ)におけるディーゼルエンジンの効率を明らかにし、同じ出力の動作点の中で効率が最大となる動作点を選択して使用する方法を提案しました。
このエンジン動作点の改良を高効率な永久磁石同期機の使用と組み合わせた場合の省エネ効果を、ハイブリッド気動車を対象に試算したところ、燃料消費量を約10% 削減できる結果となりました。

全波整流器と永久磁石同期機を組み合わせたシンプルな発電システム また、これ以外にも、全波整流器と永久磁石同期機を組み合わせたシンプルで高効率な発電システムの開発や、強化学習を用いたハイブリッド車両の充放電制御の最適化等、様々な観点で発電システムの高効率化に取り組んでいます。

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参考文献

  1. 近藤 稔, 共振回路を利用した永久磁石同期機と全波整流器からなる直流発電システム, 電気学会論文誌D(産業応用部門誌), 2021, 141 巻, 5 号, p. 416-422
  2. Minoru Kondo, Comparison of Two Types of DC Power Generation Systems with Permanent Magnet Synchronous Machines and Full-Bridge Rectifiers Using Resonant Circuits, IEEJ Journal of Industry Applications, 2022, Volume 11, Issue 4, Pages 573-581
  3. Shunsuke Jindo, Keiichiro Kondo, Minoru Kondo, Toshihide Yokouchi, Power Generation Control Method of Fixed-power Parallel Resonant PMSG System for Series Hybrid Vehicle, IEEJ Journal of Industry Applications, 2023, Volume 12, Issue 3, Pages 500-507