線路上空建築物への鋼管群杭の適用技術

1.概要

線路上空建築物では、場所打ち鉄筋コンクリート杭を用いた1柱—1杭基礎構造が多く採用されています。しかし、線路上空建築物には地中梁がないこと等から杭径が大きくなりやすく、施工上の制約を生じる可能性がありました。そこで、狭隘部や低空頭部での施工性向上を目的として、地中梁のない線路上空建築物に羽根付き小口径鋼管杭の群杭基礎構造を適用するための研究に取り組んでいます(図1)。

2.検討内容

小口径鋼管杭を群杭基礎構造として線路上空建築物へ適用するために、1柱—群杭接合部の力学性状や、偶力作用下における地盤特性の群杭効果を把握するための実験や解析的な検討を行ってきました(図2)。現在はこれらの知見を基にした設計マニュアルを整備しています。このマニュアル整備により、線路上空建築物における基礎構造の選択肢を増やすことが可能になります。

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参考文献

  1. 清水克将:鋼管群杭を用いた線路上空建築物の設計手法、第303回鉄道総研月例発表会、2016.9
  2. 清水克将、山田聖治、西岡英俊、高田啓一、和田昌敏、岸田慎司:鋼管群杭を用いた線路上空建築物の設計手法、鉄道総研報告、第28巻、第8号、pp.35-40、2014.08