透過音法によるバラストの健全度評価
バラスト軌道は、砕石(バラスト)に混入する細粒分が増加すると、泥土となってまくらぎ下から噴出する噴泥現象(図1)が生じ、 軌道の沈下が増大します。軌道の沈下の進行が速いほど、これに対応するための保守頻度が多くなるため、新しいバラストに交換して保守頻度の低減を図ります。 開発した透過音法は、 バラスト内を透過する音の大きさで劣化状態を定量的に評価することができ(図2)、本方法でバラスト内に混入する細粒分の割合に応じて道床交換の判定を行うことできます。
透過音法の特徴
- 細粒分がバラスト粒子間の空隙を満たすことで、音が伝わりにくくなり、透過音が小さくなります(図3)。このような音の透過特性を用いて、音の大きさとバラストの劣化程度を図4より評価します。
- まくらぎ両脇から道床内に中空杭を挿入して、片方の杭先端から音を出し、もう片方の杭で透過音を測定することで、バラストを掘削せずにまくらぎ直下のバラストの劣化状態を評価できます。
- バラスト内を透過した音の大きさが25dBを下回ると、細粒分含有率が高く、噴泥現象が生じて沈下が増大するリスクが高くなると考えられることから、バラストを交換する判断基準にすることができます。
参考文献
- 1.福中力也、中村貴久、桃谷尚嗣、木次谷一平、北川敏樹、宇田東樹:音の透過特性を用いた道床バラストの健全度評価方法の開発、鉄道工学シンポジウム論文集、No.24、pp.227-234、2020.
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