路床の塑性沈下に関する評価方法
スラブ軌道(図1)を支持する路床(盛土)には、列車の走行安全性と保守性の観点から、沈下を小さく抑える性能が求められています。一方、列車速度の向上や発生土等の盛土材料への適用の検討において、盛土の沈下量を推定する手法も求められています。そこで、累積損傷度理論を用いた、盛土の累積沈下量を求める手法を整備しました。
路床(盛土)の累積沈下量の推定方法
累積損傷度理論を用いた累積沈下量は、図2に示す推定フローに則って行います。
手順1 :繰返し三軸圧縮試験から得られたひずみと繰返し回数の関係をフィッティングできる近似曲線を作成します。この近似曲線および試験条件より累積沈下特性パラメータを設定します(図3および表1)。
手順2:手順1 で設定した累積沈下特性パラメータの他,繰返し荷重で生じるせん断応力(繰返しせん断応力)と繰返し回数等を用いて,軟化せん断弾性係数G*を求めます。
手順3:軟化せん断弾性係数G*を用いた線路方向に直交する断面において平面ひずみ条件とした二次元静的線形解析から,列車走行による繰返し載荷後の路床の残留沈下量を算出します。
累積沈下量の推定方法の検証
実物大模型試験により、累積損傷度理論を用いた累積沈下量の推定方法の妥当性を検証しました。図4に示す実物大模型の解析モデルを用いて、載荷試験で生じた路床の沈下量を求めました。その結果、解析結果は載荷初期から200万回までの間において試験結果とほぼ等しくなりました(図5)。
参考文献
- 伊藤壱記,桃谷尚嗣,景山隆弘,中村貴久,川中島寛幸:累積損傷度理論による列車速度を考慮した新幹線盛土の塑性沈下量の評価,土木学会論文集,Vol.79,2023.
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