低コストで省力化可能な駆動用機器潤滑油分析装置

1.概要

検修現場における機器(エンジン、変速機など)の状態診断に適用可能で、取り扱いが容易な潤滑油分析装置を開発しました。

2.特徴

  • 車両近傍において、機器の給油口などに吸入チューブと排出チューブを差し込み、装置内のポンプで吸入した潤滑油をセンサに直接通過させることで、容器に採油せずに直接機器の状態診断ができます(図1)。
  • 検修現場での使用を考慮し、車両近傍に容易に設置可能な構造としたほか、装置内部の油経路を短縮することにより、小型化と分析時間の短縮を図りました。
  • 約20分で基本的な油分析を行うことが可能になり、従来法と比較して分析時間を大幅に短縮でき(図2)、装置の価格も従来の元素分析装置の5分の1以下に抑えることができました。
  • 内蔵されているセンサは車両用機器への搭載が可能であり、リアルタイムでの車両の状態監視への適用も今後期待できます。

参考文献

  1. 木川定之,鈴村淳一,生駒一樹,高重達郎:潤滑油微量鉄粉濃度計測装置を用いた鉄道車両用機器の状態監視の検討,第28回 交通・物流部門大会(TRANSLOG2019)講演論文集,2019