降雨時における鉄道沿線斜面の時間的・場所的安定性評価手法

降雨時における鉄道沿線の斜面の安定性は、斜面上・斜面内を流下する雨水が斜面内の地下水位を上昇させることによって、時間的にも場所的にも変化します。こうした現象を考慮して、鉄道沿線斜面の広範囲にわたり安定性を評価する解析モデルを構築しました。

本手法では、数値標高モデルなどを利用して対象とする斜面の地形を要素分割し、要素間あるい要素内の雨水流動を簡易な計算で求められるようにモデル化し、求められる地下水位の変化から安定性の変化を算出します。

本手法は、鉄道沿線斜面の降雨による崩壊危険箇所の抽出や、どの程度の降雨で崩壊が懸念されるか、あるいは降雨後どの程度の時間が経過すれば崩壊が懸念されなくなるかなどの検討に利用することができます。

参考文献

  1. 布川修、太田直之、石川智史:地形を考慮した土石流の発生危険性評価、鉄道総研報告、第27巻、第11号、pp.35-40、2013.11
  2. 布川修、杉山友康、太田直之:地形を考慮した斜面表層部の地下水位変動予測と安定性評価、鉄道総研報告、第24巻、第5号、pp.17-22、2010.05
  3. 布川修、杉山友康、太田直之:地形を考慮した斜面表層部の地下水変動予測モデル、鉄道総研報告、第22巻、第1号、pp.23-28、2008.01