スラブ軌道の検査方法

1.貫入試験

寒冷地の一部の区間では凍害によるものと考えられるCAモルタルの劣化が確認されています。貫入試験は貫入棒を打撃する際の反発度を用いて劣化が生じている範囲を評価する方法です。目視では困難な内部の状態を評価することが可能となります。

2.打音試験

軌道スラブとてん充層の境界面で隙間が生じている場合があります。この隙間の範囲が広がると、軌道スラブのあおりが大きくなり、ひび割れの発生が懸念されます。打音試験では、軌道スラブの表面を打撃した際の音圧から隙間の範囲を評価し、補修の必要性などを判定する際に使用することができます。

参考文献

  1. 高橋貴蔵,渕上翔太,桃谷尚嗣:貫入試験によるCAモルタルの強度推定方法に関する研究,土木学会鉄道工学シンポジウム,Vol.16,2012
  2. 高橋貴蔵,桃谷尚嗣,藪中嘉彦,長沼光:貫入試験によるCAモルタルの劣化評価,鉄道工学シンポジウム論文集,Vol.17,pp.127-132,2013
  3. 高橋貴蔵,小滝康陽,桃谷尚嗣,板倉真理佳:打音試験による鉄道用軌道スラブ底面の隙間の評価に関する基礎的研究,コンクリート構造物の非破壊検査シンポジウム論文集,Vol.6,pp.217-222,2018